|
美しさの本質 2012.04.01
優
れた楽器の特性は何か?これは色々あり1つに決まらないのだが重要な要素として「大きな音が出る」(ソノリティー)が上げられる。全く同じタイプのナイロ
ン・ギター、サックス、コンガなどの楽器があり音色の艶が変わらないなら大きな音が出る楽器が良い楽器とされる。私の思いこみかも知れないが、良い楽器は
同一タイプの中でも大きな音が出る楽器である。
ところで日本語で美しさを美(び)という。英語ではビューティー(beauty)という。何か似通っている。偶然かも知れない。大体、日本語の美は中国から輸入された単語だ。
http://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%BE%8E
字源「羊」の象形 又は 「大」きい「羊」を意味する会意。いずれでも、古代周人が、羊を大切な家畜と扱ったことに由来。
中
国語の美には「大きい」という概念が入っている。ということは良い楽器≒大きな音が出る楽器であるように美には「大きなもの」という概念が入っているよう
だ。今の中国語では美はメイと発音されるようだが、中国語の発音は時代につれて何回も変わっている。むしろ日本語発音のビが元々の発音なのだろう。大きな
羊が美しいと言うのは中国にあわない気がする。むしろ大きな豚が適切だと思うのだが、昔の中国人と今の中国人は大きく違う。日本人はたいして変わらない。
英語のビューティーには大きいという概念はない。だがグランド・キャニオンとかグレート・レークス(5大湖)とか大きいという言葉に強さとほのかな美しさが込められているのも事実だろう。
各国語での美
翻訳
デンマーク語: skønhed ドイツ語: Schönheit 英語: beauty スペイン語: belleza フランス語: beau アレマン語: schönheit オランダ語: schoonheid ポーランド語: piękno ポルトガル語: beleza ロシア語: красота どうも英語のビューティーはラテン起源のようだ。実は英国がフランスの植民地だった時代があり、この時に膨大なラテン系の単語が英語に入った。恐らくフランス語のボーが元々の単語/発音なのだろう。
日本語の美(び)とフランス語のボー・・・ ますます似通ってきた。ここで私は1つの仮説を立てて説明をすることにした。
起源前2000−3000年頃、人類にはまだ美という概念が無かった。ところが南アジア(インドからメソポタミア辺り)の男性が「大きくてカッコ良いことをビーと名付けよう」と提案した。何故、男か?こういう儲かりもしない事を一生懸命考えるのはほとんど男だからだ。
このビーという概念は猛烈にカッコ良かったのでまたたく間に世界に広がった。中国では美(大きな羊)と置き換えられた。欧州系言語ではbeauとかbeautyとか belezaとなった。
つ
まり日本語の美も英語のビューティーもフランス語のボーも全部、起源は同じであり、ずっと遡っていくと古代南アジアに行き着くのではないだろうか?そう考
えると、何故、中国でも欧州系言語でも美という概念が「大きい」という概念を含んでいるのかが説明できるような気がする。
上に書いたことはただの仮説/思いつきでしかないのだが、世界の各地で美という概念に「大きい」という意味が部分的に含まれているのは事実なのだ。これは人類の普遍的な概念なのだろうか?
追記
奈良の大仏に見られるように昔の日本では大きい≒美しいという考えがあったようだ。だが仏教はインド発祥の思想なのだ。その後、日本では大きい≒美しいという考えは廃れていく。
| | | |