今、日本の無駄は何か?
2012.04.18

現在の時点で日本最大の無駄は何か?多くの人が公務員給与と考えているようだ。私の考えは、公僕であるべき公務員が政治活動を行い政治家を操るような透明性の欠如が問題であり、透明性が確保されるならむしろ公務員を増やすべきだ。

では私が考える現時点での日本最大の無駄は何か?通販システムである。特にTV通販だ。

広 告営業として通販を担当したことは無いのだが一つ確実に言えるのは通販広告の増加は(ほとんどの場合)広告需要の減少を意味する。まともな価格で広告を出 す広告主が減った結果として単価の安い通販広告を入れることになる。何故なら通販広告は日付などを指定しないからだ。少なくとも1980年代の朝日新聞に 関する限り、これは事実だった。

何故、通販広告が増えたか?年金支給を受ける老人層が増加したからだ。だが、何故、通販広告は「安い商品」を提供できるかを考えるべきだ。

これがネット通販であるなら理由は簡単だ。通販における手間のかかる部分を注文相手に入力させるからだ。例えば、

1.タラバ蟹の缶詰を12個注文する
2.商品の選定および個数の選定は注文相手が直接、入力する
3.発送方法、業者の選定、住所、連絡先、名前は全て注文主が入力する
4.決済方法も注文主が決める

つまりネット通販の商品が安いのは「まともな価格競争」が働いているからだ。だがTV通販はそうだろうか?

多くのTV通販では最後に「フリー・ダイヤル******に今すぐお電話を」と言う。だが、そうした販売では電話オペレーターをおく必要がある。さらに注文条件を電話で確定する必要がある。

最 も馬鹿らしいのは自動車保険である。ここではあえて社名を出すが、例えばソニー損保の自動車保険である。彼らのCMは保険の申し込みという最も重要な部分 で「ネットでソニー損保で検索」と言っている(私が見聞きしている範囲での話)。これは当然であり電話で受け付けていては手数料がかかりすぎる。既存損保 と競争できない。ネットで受け付けて、申込者に重要な情報を全て入力させるからソニー損保のような商法が成り立つのだ(と私は考える)。

これは何を意味しているのか?

1.日本には通販を利用するだけの「金持ち層」が存在する
2.彼らにはネット経由で直接、注文する能力がない
3.結果、TV通販のような明らかに無駄のある商法が通用する
4.TVを見る層が直接、欲しい商品をネット経由で指定し個人情報を入力すれば良いのだ
5.そうすることで通販商品の単価を下げることができる

つまり、TV通販や新聞の通販広告には大変な無駄が存在するのだ。そうした旧態依然とした通販を利用する人々がネットを利用すれば業者は無駄が省け、通販利用者もより安い商品をより早く確実に入手できる。

ネット経由で通販注文を出すだけで業者と注文者のwin−win(両者に利益をもたらす)関係を築くことができるのだ。

何故、新聞やTVが批判する日本の無駄のなかに通販システムにおける非効率が含まれないのだろう?明らかに、これはおかしい。是正されるべきだ。