ミドル・ネームの効用
2012.05.25

http://www.afrobossa.sakura.ne.jp/view/view747.html

先日、ミドル・ネームに関する文章書いて以来、ミドル・ネームというのは良い制度であり日本も取り入れるべきだと私は考えるようになった。

1)ミドル・ネームは姓か名前の一部であり、決して日本の戸籍制度を破壊するものではない

2)むしろ本人確認手段の強化という意味で望ましいと考えるようになった

3)何故なら、私は人間の名前を基本的に本人確認手段として見ているからだ

いやいや、名前には様々な思いと言語特有の美しさが表れており、本人確認手段として名前を論じるのは邪道と主張されるかも知れない。

こ の関連で私が思い出すのは晩婚のビル・ゲーツが自分の娘にジェニファーという名前をつけたことだ。英語メディアの報道によると、ジェニファーという名前は アメリカ人に取り好意の持てる良い女性名だと言う。ところが英語ネーティブでない私にはジェニファーという名前の有り難さがさっぱりわからない。エリザベ スという名前があまりに重々しいために避けられているのはわかるのだが。

こうした民族とか言語固有の美学は論じるだけ時間の無駄だと私は考える。何故なら美学の共有は極めて難しいからだ。では私はミドル・ネームにどういう役割を期待しているのか?

1つは既婚女性の名前である。私はフェミニズムは嫌いだが、女性が結婚し離婚するたびに姓を変えるのは不公平だとは思っていた。例えば下のような例を考えてみよう:

1.山田花子さんが田中一郎さんと結婚する

2.この時、山田花子さんは田中花子と名乗ることが可能だ

3.同時に、田中ー山田・花子と名乗れるようにしよう

4.この場合、田中があくまでも姓であり、名前が山田花子である

5.従って法的な文書や公的な文書では田中ー山田・花子と記載する

6.だが慣用的に山田を省略して田中花子と名乗ることも許可する

7.こうすることで女性は何回、結婚と離婚を繰り返しても元の姓を維持できる

8.つまり旧姓がミドル・ネームとして残る

9.だが法的な扱いとしてミドル・ネームは名前(ギブン・ネーム)の一部と既定する

10.従って日本の戸籍制度が揺らぐことはない

同じ事は日本に帰化する外国人にも言える。彼らが元々の名前を捨てる理由は何もない。元々の姓がゴメス(Gomez)であれば田中−ゴメス一郎という名前で帰化する。そうすることでアイデンティティーの放棄をしなくてすむ。

ここでの私の考えは

1.ミドル・ネームに決して法的な根拠を与えないこと
2.ミドル・ネームは必ず姓か名前の一部である
3.ミドル・ネームは結婚前の姓か帰化前の姓を意味する
4.こうした前提が守られる限りミドル・ネーム採用に害は無い
5.何故なら本人確認手段としての名前の強化だからだ

というものだ。私は日本国がミドル・ネームを採用することの利点があると思うのだが・・・