平成の大政翼賛会

パート5 日本国債の歴史

パート4において日本銀行券と日本国債の違いは

1.額面が違う。国債の額面は巨大だ
2.日本国債には利子がついている
3.日本国債には償還期限がある

こ の3つだけだという指摘をした。しかし、もし日銀券、つまり現金と国債の間に違いが無いなら何故、わざわざ国債を発行するのか?普通に日銀券を印刷すれば 良いではないか?

(今は電子入金で日銀が民間銀行口座に振り込んでいるので、どの程度、物理的に刷っているのかは不明だ)

ここでの私の 答えは、国債は額面を巨大にできる、また利子や償還期限など「自由度」「交渉余地」がある、紙の日銀券と異なり条件さえ合意すればすぐに全額発行できる、紙の 日銀券と異なり持ち運びが楽だ、つまり国債は戦争における戦費調達に最も向いた手段である、というものだ。

だが額面が大きいことはそれ自体がリスクである

1.偽造リスク
2.破損リスク
3.保管リスク
4.売買時の流動性リスク
5.発行主体者リスク
6.物価変動リスク
7.匿名性の欠如(当局に把握される)

などが考えられる。だから利子を払うと私は考える。

今すぐ日本が戦争をする可能性は見えないのだが、将来は十分、ありうるだろう。特に「相手」が宣戦布告をして日本が何もしないことはありえない。その時、日本は巨額国債を発行して戦費を調達する予定なのだろうか?

財務省や日銀が何を考えて、日本国債を延々と発行してきたかは不明だが、今の日本は世界最大の債権国だ。債権国だから世界にお金を貸しているのだ。世界最大の債権国が資金調達に困るのなら、世界のどこにおいても資金調達できないだろう。

つまり私の主張は

1.日清戦争や日露戦争のころ、確かに日本は国債を発行して戦費を調達する必要があった

2.また第2次大戦中も、戦時国債を発行して戦費を調達した

3.だが、その頃の日本と今の日本は違う。どう違うか?今の日本は世界最大の債権国である

4.要するに戦争という国家の生存を賭けた歴史における巨大事件の記憶が残滓(トラウマ)となり未だに生きており、その結果、日本が世界最大の債権国となり世界に資金を提供するようになっても、未だに発行する必要が無い日本国債を発行している

というものだ。

引用
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日清戦争

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%B8%85%E6%88%A6%E4%BA%89

戦費

戦 費は、2億3,340万円(内訳:臨時軍事費特別会計支出2億48万円、一般会計の臨時事件費79万円・臨時軍事費3,213万円)で、開戦前年度の一般 会計歳出決算額8,458万円の2.76倍に相当した。うち臨軍特別会計(1894年6月1日〜1896年3月末日)の支出額構成比は、陸軍費が 82.1%(人件費18.4%、糧食費12.4%、被服費10.8%、兵器弾薬費5.6%、運送費16.9%、その他18.0%)、海軍費が17.9% (人件費1.1%、艦船費6.4%、兵器弾薬費・水雷費5.0%、その他5.4%)であった。臨軍特別会計の収入額は、2億2,523万円であり、主な内 訳が公債金(内債)51.9%、賠償金35.0%、1893年度の国庫剰余金10.4%であった(臨軍特別会計の剰余金2,475万円)。なお、1893 年度末の日本銀行をふくむ全国銀行預金額が1億152万円であったため、上記の軍事公債1億1,680万円の引き受けが容易でなく、国民の愛国心に訴える とともに地域別に割り当てる等によって公債募集が推進された。

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日露戦争

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%9C%B2%E6%88%A6%E4%BA%89

外貨調達

戦 争遂行には膨大な物資の輸入が不可欠であり、日本銀行副総裁高橋是清は日本の勝算を低く見積もる当時の国際世論の下で外貨調達に非常に苦心した。当時、政 府の戦費見積もりは4億5千万円であった。日清戦争の経験で戦費の1/3が海外に流失したので、今回は1億5千万円の外貨調達が必要であった。この時点で 日銀の保有正貨は5千2百万円であり、約1億円を外貨で調達しなければならなかった。外国公債の募集には担保として関税収入を当てることとし、発行額1億 円、期間10年据え置きで最長45年、金利5%以下との条件で、高橋是清(外債発行団主席)は桂総理・曾禰蔵相から委任状と命令書を受け取った。

開 戦とともに日本の既発の外債は暴落しており、初回に計画された1000万ポンドの外債発行もまったく引き受け手が現れない状況であった。これは、当時の世 界中の投資家が、日本が敗北して資金が回収できないと判断したためである。とくにフランス系の投資家はロシアとの同盟(露仏同盟)の手前もあり当初は非常 に冷淡であった。またドイツ系の銀行団も慎重であった。

是清は4月にイギリスで、額面100ポンドに対して発行価格を93.5ポンドまで 値下げし、日本の関税収入を抵当とする好条件で、イギリスの銀行家たちと1ヶ月以上交渉の末、ようやくロンドンでの500万ポンドの外債発行の成算を得 た。またロンドンに滞在中であり、帝政ロシアを敵視するドイツ系のアメリカユダヤ人銀行家ジェイコブ・シフの知遇を得、ニューヨークの金融街として残額 500万ポンドの外債引き受けおよび追加融資を獲得した。この引き受けについてはロンドン金融街としてもニューヨークの参加は渡りに舟の観があった。第1 回は1904年5月2日に仮調印にこぎつけた。

結果当初の調達金利を上回る6%での調達(割引発行なので実質金利は7年償還で約7%)と なったが、応募状況はロンドンが大盛況で募集額の約26倍、ニューヨークで3倍となり大成功の発行となった。1904年5月に鴨緑江の渡河作戦でロシアを 圧倒して日本が勝利すると国際市場で日本外債は安定し、第2回の1904年11月の6.0%(償還7年で実質約7.4%)を底として、1905年3月の第 3回では4.5%での借り換え調達(3億円、割引発行なので償還20年で実質5.0%、担保は煙草専売益)に成功した。第3回からはドイツ系の銀行団も参 加し募集は大盛況、第5回からはフランス系の銀行団も参加したが(英・仏ロスチャイルドもこの回でともに参加)このときにはすでに日露戦争は終結してい た。

結局日本は1904年から1906年にかけ合計6次の外債発行により、借り換え調達を含め総額1万3000ポンド(約13億円弱)の 外貨公債を発行した。この内最初の4回、8200万ポンドの起債が実質的な戦費調達資金であり、あとの2回は好条件への切り替え発行であった。なお日露戦 争開戦前年の1903年(明治36年)の一般会計歳入は2.6億円であり、いかに巨額の資金調達であったかが分かる。

国の一般・特別会計によると日露戦争の戦費総額は18億2629万円とされる。

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ジェイコブ・ヘンリー・シフ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%8
3%96%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%95

ジェ イコブ・ヘンリー・シフ(英語:Jacob Henry Schiff、1847年1月10日 - 1920年9月25日)は、ドイツ生まれのアメリカの銀行家、慈善家。ヤコブ・ヘンリー・シフとも。生まれた時の名前(即ちドイツ名)は、ヤーコプ・ヒル シュ・シフ(Jacob Hirsch Schiff)。高橋是清の求めに応じて日露戦争の際には日本の戦時国債を購入した。勲一等旭日大綬章を明治天皇より贈られる。

ロシア・日本との関係

日 露戦争に際しては、日銀副総裁であった高橋是清が外債募集のためアメリカにわたるが、どこも公債を引き受けようとしなかった。ついで2年前に日英同盟が結 ばれていたイギリスにわたり、諸銀行から500万ポンドの公債引き受けをなんとかとりつけるが、バクー油田の利権を獲得していたイギリス・ロスチャイルド に融資を断られる。第1回の戦時国債は1,000万ポンドが必要だった。そんななか、ある銀行家の晩餐会で隣席したシフより「日本兵の士気はどのくらい高 いか」などとの質問をうけ、高橋が応答すると、翌朝、500万ポンド公債をシフが引き受けることが伝えられた。 1904年5月、日本は戦時国債を発行することができた。

シフは2億ドルの融資を通じて日本を強力に資金援助したことで、日本勝利と帝政 ロシア崩壊のきっかけを作った。以後日本は3回にわたって7,200万ポンドの公債を募集、シフはドイツのユダヤ系銀行やリーマン・ブラザーズなどに呼び かけ、これも実現する。結果として日本は勝利を収め、シフは一部の人間から「ユダヤの世界支配論」を地で行く存在と見なされるようになった。またこれ以 後、高橋との親交を結んだ。

のちにシフが高橋に語ったところによれば、融資の理由はロシアでの反ユダヤ主義(ポグロム)に対する報復だっ たと言われている。1881年、また1903年4月にはロシアで大規模なポグロムが起こっていた。「ロシア帝国に対してたちあがった日本は神の杖である」 とのち回想録に記している。

日露戦争後の1906年、シフは日本政府に招聘され、3月8日にパシフィック・メイル汽船会社のマンチュリア (満州)号にのり、サンフランシスコを立ち、3月25日に横浜に到着。グランドホテルに宿泊する。3月28日には皇居を訪れ、明治天皇より最高勲章の勲一 等旭日大綬章を贈られた。 シフらは呉を見学するなどしたあと、5月3日、門司より韓国・仁川に向かう。

シフの帝政ロシア打倒工作は徹底 しており、第一次世界大戦の前後を通じて世界のほとんどの国々に融資を拡大したにも拘らず、帝政ロシアへの資金提供は妨害した。1917年にレーニン、ト ロツキーに対してそれぞれ2,000万ドルの資金を提供してロシア革命を支援した。しかし、経営者一族がシフの縁戚となっていたファースト・ナショナル銀 行ニューヨークは、ロックフェラーのチェース・マンハッタン、J・P・モルガン・アンド・カンパニーと協調して、ソビエトに対する融資を継続していた。
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http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1025655970

日本が戦時中に沢山発行した戦時国債は償還されたのでしょうか?
質問日時:2009/4/28 22:21:01.

回答

>iwaiwaiwai8901さん

私が昔どこかできいた話は若干違うのですが・・・。

戦時中に発行された莫大な戦時国債は、確かに「償還された」が・・・その代わりに、政府は償還するための予算を、まんま紙幣を印刷して支払ったために、「ハイパーインフレ」と呼ばれる急激な物価の上昇(=通貨価値の大暴落)が起こった・・・と記憶しています。

そのため、形ばかり戻ってきた国債の償還金は、ほぼ同時に紙切れ同然の価値しかなくなっていたわけです。(敗戦で国家予算もジリ貧な政府が、まともに支払えるはずもないので、コストがタダ同然の紙幣印刷に走るのはまさに苦肉の策。)

確 か、終戦直後には1円で今の1万円くらいの価値はあったと思うのですが、ご存知の通り急激なハイパーインフレが起こって、たったの何年かの間にだいたい今 の10円くらいの価値に暴落したんじゃなかったでしょうか。戦後にハイパーインフレが起こったこと自体は有名だと思いますが、その原因は、戦時国債償還の ための紙幣の大量発行だった・・・という話です。(あくまで、聞きかじった話ですので・・・。)

回答日時:2009/4/30 07:46:48
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引用終わり

上の歴史を見ると、日露戦争で戦費を調達できたことが日本という国の未来を決めたように見える。しかも、この時は外債だった。外貨建て日本国債(ソブリン債)を発行したのだ。現在の日本国債は、国が独占的通貨発行権を持つ日本円建てである。

ただ、日本国債という大きな額面の日銀券を発行する意味はある。誰がどの程度、保有しているか把握できる。つまり有事には意味を持つ。

こ こでの私の意見は、過去10数年に渡るデフレ期に日本国債を発行せず、日銀券を印刷するべきであったというものだ。流動性の罠でお金が例え死蔵されたとし ても、「国の借金は赤ちゃんも含め日本人一人あたり300万円」という陰気な国家破産論を聴く必要がない。それだけでも、日銀券を刷って死蔵させたほうが マシだ。

もし流動性の罠が本当に存在し、国債発行の代わりに日銀券を刷っていれば、今頃、赤ちゃんも含め日本人一人頭300万円の現金資産が退蔵・死蔵されていることになる。

日本国民一人頭300万円の借金があるのと300万円の現金資産があるのとでは天国と地獄ほど違うと思いませんか?

では、何故、財務省や日銀はそういう選択をしなかったのか?ここで日本が世界最大の債権国であり、世界にお金を貸していることを思い出してほしい。資金調達をする外国勢にしてみればできるだけ低い金利で資金調達をしたいのだ。従って日本が以下の状態にあることが望ましい:

(この部分は幾分か陰謀論)

1.日本の内需が衰退しており企業が銀行から資金を借りない

日本の内需衰退=国内勢の借り入れ資金需要減退=調達資金金利低下

2.日本の消費が低迷する

消費が高まる=内需が潤う=内需企業の資金需要が高まる=外国勢の日本での調達金利高騰

3.インフレよりデフレのほうが消費を減退させ内需を低下させるので調達金利は低下する

4.増税。特に消費税のように日々の生活に関係する税金が上がると一挙に消費が落ちる。消費が落ちると内需が減退する。内需が減退すると日本での調達資金金利が低下する。

陰謀論で説明すれば上のようになる。

つまり、日本の国家破産、「赤ちゃんも含め国民一人頭の借金が300万円」、デフレ不況、消費税増税、などは実は海外勢力が、可能な限り低い金利で日本市場で資金調達するための小道具だったことになる。

一見すると馬鹿げた主張に見える。だが日本が世界最大の債権国であるのは事実であり、世界最大の債権国は同時に世界最大の資金提供源である。

なお、この主張は現時点では陰謀論であり正しいかどうかは不明だ。次のパート6で具体的にLIBORに関わる疑惑を見ていく。