平成の大政翼賛会 パート9
押し紙と広告料金詐欺
新聞社は様々な構造的な歪みを利用して収益を上げている。この歪みは誰が見ても違法だ。ただの詐欺だ。
だが
1.政治家は新聞を批判することでメディアを敵にしたくない
2.検察や司法は政治家の支持が無い領域に触れたくない。この問題が存在しないかのように振る舞っている
押し紙に関しては黒藪哲哉氏が週刊新潮に書かれた記事が参考になる。
http://www.h7.dion.ne.jp/~fttb/o/oshigami1.html
問題点を箇条書きにする:
1.朝日新聞は押し紙を行っている
2.その根拠は、私が朝日新聞広告局で働いていた時に、販売局同期が普通に押し紙の存在を認めたからだ
3.そこにヤクザがからんでいるのも事実だ。何故なら販売同期が「広告はヤクザの相手をしなくて良い、オレも広告に行きたい」とボヤクのを何度か聞い
たからだ
4.新聞社の押し紙は非常に組織的に管理されている。日々、発行部数のうち、どれだけが押し紙であるかは数十から数百部の誤差範囲で把握されている。決し
てデタラメに押しつけている訳ではない。
5.従来は新聞社の部数競争が押し紙を生んだとされた。これは嘘だ。
6.新聞社の広告料金は様々な要素で決まる。だが最大の要素は発行部数だ
7.従って部数を水増しすることで広告料金を不当に高く設定できる
8.広告営業を10年やった私ですら朝日新聞の正確な部数は一度もわからなかった
9.社員にすらわからないのに広告主にわかる訳がない
10.私の上司の解説によると、新聞や雑誌の部数を査定する日本ABC協会が販売店抜き打ち調査をする前に、該当新聞社に対し「抜き打ち調査」の内容を通
知するという
11.従って日本ABC協会の部数は押し紙をふくんだ部数と思われる
12.(今はどうか知らないが)選挙公告や臨時物(死亡広告など)は定価を要求していた。その定価とは押し紙を含んだ新聞部数ベースだ
13.選挙公告の原資は国民の税金だ
14.従って、新聞記者の優雅な生活は日本国民の税金を水増し広告料金でかすめとることで成り立っている可能性がある
私が昔、書いた文章を引用する。
http://www.afrobossa.sakura.ne.jp/view/view139.html
新聞は崖っぷちにある
引用
http://www.mynewsjapan.com/reports/1135
朝日新聞の偽装部数 販売店が提訴、6500万円請求
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読売や毎日で頻発している新聞の偽装部数をめぐる裁判であるが、9月11日、朝日新聞でも新たな裁判が始まった。訴訟を提起したのは「ASA宮崎大塚」
(宮崎市)の元経営者、北川朋広さん。現場では新聞が売れなくなっているが、朝日新聞社は、広告主に見せるABC部数を実態以上に水増し・偽装するため、
無理やり新聞をASAに押し売りしてきた。その結果、北川さんは自己破産に追い込まれたとして、4年間の押し売り分(押し紙)で被った損害と慰謝料あわ
せ、約6500万円を請求している。(記事末尾で訴状PDFダウンロード可)(10/14 2009)
引用終わり
中略
旧来のメディアの欺瞞を公然と指摘する人たちが出てきた。上のマイニュース・ジャパンも元日本経済新聞の人が運営しているメディア批判サイトである。
特に押し紙関係が充実している。
そして最新のニュースが、「朝日新聞社は、広告主に見せるABC部数を実態以上に水増し・偽装するため、無理やり新聞を
ASAに押し売りしてきた。その結果、北川さんは自己破産に追い込まれたとして、4年間の押し売り分(押し紙)で被った損害と慰謝料あわせ、約6500万
円を請求している」というものである。アクセスが集中しているらしく中々記事が読めなかった。ウチはftth120メガなのだが。ところで「ASA宮崎大
塚」なのだが
http://local.yahoo.co.jp/detail/spot/019af54738ce00e
178fe4302ba967d52/
朝日新聞宮崎販売株式会社/ASA大塚
住所宮崎県宮崎市大塚町権現昔796-1-1F
問い合わせ先0120-08-4082
現在は朝日新聞販売子会社による直営店になっている。電話も店の電話はなく本社関連の部署のものを使用しているようだ。上のYahoo!の情報を信じるな
ら、北川さんの後をつぐ人がいなかったために本来は新聞社にとり望ましくない直営店になったようだ。この先のシナリオは2つ考えられる
1.朝日が何らかの賠償金を払うことで示談にする
2.北川さんが勝訴する
どちらも朝日にとって望ましいものではない。押し紙により自己破産あるいは多額の負債を追い込んだ販売店主は多数いるだろうから、1.のシナリオになった
場合、朝日は多くの販売店主に膨大な賠償金を払わざるをえないだろう。
2.のシナリオはもっと悪い。北川さんが勝訴することで押し紙の存在が裁判で認められてしまうのだ。それは広告主による賠償訴訟の雪崩をひきおこす。何故
なら、そうした企業が広告掲載を考える時に与えられる資料は新聞社が制作した媒体資料であり、そこで使用されているのは、かなり疑わしいABC部数なの
だ。
後略
http://www.afrobossa.sakura.ne.jp/view/view653.html
新聞社がかかえる時限爆弾
2011.08.16
新聞社がかかえる時限爆弾とは何か?簡単に言えば押し紙である。より正確に言えば、押し紙を入れた部数に基づく広告料金である。
新聞社も、この危険性を理解している。例えば産経は押し紙を大きく減らしたらしい。また大手紙も減らしているという。だが、ハッキリ言って遅いのだ。何
故、遅いか?
まず朝日や読売といった大手は来月から押し紙を止めますという形でのドラスティックな変更はできない。何故なら、押し紙(予備紙とか準備紙とか様々な名前
で呼ばれる)を一挙に廃止すると部数が100万部単位で減るからだ。それは誰が見ても不自然だ。結果として新聞社は、ゆっくりと押し紙を減らす以外の方策
が無い。
押し紙の存在は、新聞に広告を出す広告主にしてみれば詐欺である。公称部数を査定するABC協会が新聞と広告業界からの代表者の集まり=身内でしかないか
ら当然だ。要するにABC協会発表部数とは「そうだったら良いな」という新聞業界の願望でしかない。
これまで押し紙は問題にされなかった。何故なら司法が新聞社に異様に甘い判決しか出さなかったからだ。だが、司法サイドにしても、既存メディアが凋落する
なかであえて押し紙を擁護する判決を出す意味が無くなるだろう。
恐らく、新聞社は「押し紙の存在は、広告料金割引の形ですでに広告主に還元されている」と主張するだろう。これは100%嘘だ。朝日新聞社で10年広告営
業をやった私ですら80年代、朝日新聞の本当の部数を知らなかったのだから。
どういう風に押し紙はなされるのか?まず、新聞社販売局には地域ごとの販売担当員がいる。彼らは押し紙を含めた部数を管理している。それは販売台帳という
形で記録されている。だが、例えば東京本社でどれだけ押し紙があり、本当の部数がどれだけかは一部の幹部にしか把握できないようになっている。ここでの一
部幹部とは、編集・広告・販売の局長と局次長レベルである(不確かな情報なら課長レベルまで降りてくる)。
この販売台帳を見れば、新聞社が意図的に部数水増しをやってきたことは一目瞭然である。当然ながら、これを見ることは極めて難しい。正直、私も完全に見た
ことはない。
いずれにせよ、押し紙は広告料金水増し詐欺とつながる。詐欺の時効は7年だ。そして朝日や読売が押し紙を廃止する意図があるにせよ実現するのは数年先だろ
う。つまり、これから10数年、新聞社は広告主からの詐欺刑事訴訟に怯えて暮らすことになる。
中略
朝日にせよ読売にせよ、本社ビルは勇壮にそびえ立っている。元々、国有地が格安に払い下げられたという政治的決断が根底にある。だが有力広告主が本気で広
告料金の妥当性を司法の場で問うならば簡単に崩れ去ると私は考えるのだ。
有力な数社による寡頭支配により、押し紙は推し進められた。独占/寡占が世界で最も醜い形で現れたのが、日本の押し紙だと私は考える。この寡占のなかで朝
日と読売は、冷戦時代のプラウダと人民日報が発行部数を競うような形で押し紙を進めてきた、これは事実だ。