報道市場でのクラウディング・アウト
2012.10.01

引用

4時間  騎射政治(T ^ T)政治記者だべ ‏@XSeijikisha

新 聞は、記事の中身を外せないのが仕事だべ。途中のプロセスは著しくカット。だが、ショートカットする間のプロセスにオラたちの血と汗、涙のような努力があ るだ。昨夜も、深夜1時近くから羽田で田中眞紀子の凱旋帰国を待機する記者。目白に早朝行く記者。結局、田中眞紀子は当初の時間には帰国せず。

竹本秀之さんがリツイート

引用終わり

上の政治記者氏に私は恨みは無い。大手紙の官邸詰め記者らしいが、それに相応しい見識を持たれている。さすがに読売、いやその、大手紙だけはある。

私 が問題にしているのは、大手新聞記者が田中真紀子氏があたかもVIPであるかのような取材をする為に、フリーランス記者が職を得られ無い点だ。つまり大手 新聞やNHK、共同通信などが欧米であればフリーランスに任せるような「低いレベルの現場取材」を行っており、それが結果的にフリーランス記者が頭角を現 すことを妨害しているのだ。経済学でいうクラウディング・アウトに近い現象がおきていることを、ここでは問題視している。

いつ日本に戻ってくるかわからないレベルの「要人」を空港で見張るような仕事はフリーランスがやれば良い。そうしたフリーランスの名前を出して「本紙が**氏から入手した情報では、これこれである」と報道すればよい。

つまり日本の報道機関は不要な記者をたくさん抱え込んでおり、彼らにドロ臭い取材をやらせている。それはそれで現場主義で良いのかも知れないが、優れたフリーランスから情報を買うことを恐れるべきではないだろう。

「オマエが知らないだけで情報は買ってるし、中途採用で優秀なフリーランスも社員として採用している」と反論されるかも知れない。これは部分的な真実だ。本採用記者との比較で、あまりに中途採用が少ない。良くて記者の2%程度では無いかと思う。

私 が朝日新聞社に応募した時の倍率が千倍である。千人の応募者のうち一人しか採用されないのだ。しかも応募用紙の一部として原稿用紙20枚程度の作文を要求 する。これが実質的な足切りとなっていた。「本当の倍率」は2000倍では無いかと社内で噂されたことがある。つまり報道の仕事をやりたい人はたくさんい るのだ。何故、そういう人々に機会を与えないのだろう?報道の現場こそ、敗者復活戦が相応しい。

同時に日本の巨大新聞社やTVは、もう少しスリムで筋肉質な体質を目指したらどうなんだろう?政府や民間企業に説教をするだけが新聞の仕事なのか?自分たちがまず実践すべきだ。

最 初のツイートに戻るのだが、私の感覚では、田中真紀子氏の空港待ち伏せはフリーランスがやる仕事だと思う。汚い仕事をやらせるというより、報道者として頭 角を現す機会を与えることができるのだ。そういう機会を与えないと報道記者として優れた才能を持っていても埋もれて消え去るだけだ。それは才能の無駄遣い だ。日本の損失だと私は考える。