国家破産論の奇妙な歪み
2013.03.30

過去、20年近く日本では国家破産論が喧伝された。だが実際に破産したのはアイスランドのような欧州国家だ。日本国債10年物利回り、要するに長期金利は0.5%台まで低下している。

ところで皆さんは現状を見て何かおかしいと思いませんか?私が猛烈な違和感を持つのは

「国家破産論とは一体、何だったのかを現状でまとめよう」

という動きが全く無い点。何故、国家破産論を総括しないんでしょう?責任論になるからでしょう。

今、日本の長期金利が低下しているのは黒田日銀が大胆な金融緩和を行うと市場が期待しているからだ → 白川日銀は無能だった

日本の国家破産など、そもそもありえない。お茶目な冗談を馬鹿な国民が真に受けた → 財務省と日銀は自分たちの愚かさの責任を取らなければいけない

日本の財政赤字がGDP比率で巨大だったのは事実であり、みんな間違っていたのだ → 私は2003年に自分のサイトで国家破産論自体が間違っていると言う主張を行い、サイトのバックアップをCD-Rに取り保存している

つ まり、現時点で過去のカルト的な「日本の国家破産は避けられない」という主張の検証を行うと、必ず財務省+日銀+新聞/TV+一部政治家+国際金融勢力の 責任追及につながる。これを避けるために現時点で「みんな間違ってた」という一億総懺悔に誘導しようとしている。つまり誰かが責任回避をしたいのだ。

これはおかしい、これは無茶苦茶だ。日本の国家破産という、およそ起きない事を喧伝した者/組織の責任を問うことの何が悪いのだ?大体、年間自殺者3万人を煽ったのは新聞やTVであり、彼らが日本の不況の絶望感を煽ったのだ!

有り体に言ってしまえば、我々日本国民には「国家破産論という根拠なき不安論」の責任を問うことすら許されないのだ。何故なら、必ずそれは財務省+メディアの責任論になるからだ。

しかし、それを許す=戦後レジームの存続を許すことなんだが。理解しているのだろうか?