究極の金融緩和vs至高の金融緩和
2013.04.07

黒田日銀が誕生するまでの世界はこうだった。

バーナンキFRB:「我々は究極の金融緩和を行っている」
マリオ・ドラギECB:「我々は至高の金融緩和を行っている」

問題は黒田日銀が、この究極vs至高の戦いに参戦したことだ。黒田氏の言い分はこうだ。

黒田日銀:「我々は元祖金融緩和である」

これに対し、マリオ・ドラギECB総裁は

「我々は無慈悲な金融緩和を行う」

と宣言した。これによりユーロは日本円に対し一挙に5円強くなった。2013.04.05時点。

引用

http://news.goo.ne.jp/topstories/business/838/21498481ca8
28fa93d69e6826aad4b6f.html

ECBが金利据え置き 緩和に含みも
 
4日、ドイツ・フランクフルトで記者会見する欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁(ロイター=共同)

(共同通信)欧州中銀、金利据え置き=景気見通しに不安定感も
(時事通信) 2013年04月04日 23時07分

【フ ランクフルト時事】欧州中央銀行(ECB)は4日の定例理事会で、ユーロ圏17カ国の主要政策金利を0.75%に据え置いた。据え置きは9カ月連続。現状 の金融緩和策の効果を見極める方針を継続した形だが、理事会後に記者会見したドラギ総裁は、景気見通しに不安定感が出ていることも示唆。「各種指標を注視 し、行動する用意はある」として、一段の緩和策へ含みを残した。

引用終わり

上の声明のどこにユーロを5円買い進むだけの材料があるのか?私はFXをやらないが、やらなくて良かったと思った。

現実にユーロ圏に明確なリスクがある:

1.ユーロ圏であるキプロスにおける預金封鎖

2.ロンドンを中心にした担保再利用
(意味がわからない人は検索してください)

3.欧州全体で行われた、自国のCDSを自国の金融機関が売ることで意図的につり上げたソブリン格付け

4.LIBOR(ライボー)において行われた壮絶な金利詐欺

つまり、どこをどう考えてもユーロに弱みがある。では何故、ユーロは売られないのか?流動性リスクが出てきたからではないだろうか?

つまり、ある日を境にユーロが市場から消えドイツ・マルクやフランス・フランになるリスクである。つまり、売り手もすでにユーロを売ることの危険性を理解しており、深追いしないからユーロが崩壊しないというのが私の理解だ。

つまり、最終局面に我々はいるのではないだろうか?