最近、思うこと
2013.04.30

私は家族とは異なる生活時間をしている。大体、夜中の12時頃におきて音楽制作を行う。これが結構、疲れるので朝の5時くらいから再度、寝てしまう。で、朝の9時くらいから買い物に行き、料理を作り、家事をすませる。

母親は82歳だ。起きると必ず、扉をガラガラと開けて離れを見る。離れには兄が生活している。同居できないからだ。母親は毎日、古い扉をガラガラと押して兄がリハビリ施設に行ったかどうかを確認する。

このガラガラ音は上に住んでる私にも普通に聞こえる。ある意味で静かすぎるからだ。プロの録音スタジオの静寂が日々、保たれていると考えていただければ良いだろう。

最近、布団にくるまった状態でガラガラ音を聞くと、時々、涙が止まらなくなる。母親自身が病気で日々、錠剤を取っている。だが、この人は毎朝、兄の状態を確認している。

こ れ自体は昔からそうだった。ある意味で割り切ってる私は冷たい。人情がない。だが、最近は母親の立てるガラガラ音を聞くと涙が止まらない。そこに「オレも 老化したな」という実感がある。自分も年を取り、兄も母親も年を取った。だが取り巻く環境は何ら変わらない。もはや自分が涙すら制御できない部分の無力感 に「これが老化なのか」という感慨を持つ。

先日だった。家の前で母親がウロウロし、どちらに行こうか迷っている。母親の病気を考えて私はしばらく見守った。だが、何故、行き先も無いのにウロウロしているかというと父親が「気が滅入るから外に出ろ」と怒るからだ。

で、何故、父親が怒るのか?年を取り、しかし何ら解決が見えないからだ。

一体、誰が悪いのだろう?