新聞のおごり
2013.05.02

私が朝日新聞社で広告営業として働いた1980年代、朝日は日本最強の広告媒体だった。これは誇張でもなんでもない。従って、我々広告局の人間は読売をライバルとまでは思ってなかった。最も東京本社では事情が異なったのかも知れない。

編集、つまり記者の場合、記者クラブで日々、顔を合わせ交流をする。広告局の場合、する理由がない。

私が河合塾を担当していた頃、河合塾の黒木さんというかたが、新聞社の広告営業を集めた炉端会議/宴会を開催された。そこで中部読売新聞の高橋というかたに紹介された。

深夜、地下鉄に向かってる時に高橋さんによくあった。新聞社の勤務時間は似たようなものだからだ。私は何回か飲みにいこうと誘い、2回飲んだ。だが読売新聞社には他社と交流してはいけないという規則があるらしく、社内事情になると、すぐに黙り飲み会が終わってしまった。

高橋さんが1回、こういう質問をした。

「朝日の社内で高校野球はどういう位置づけなのか?放映されていたら見なければいけないのか?」

というものだった。私が「高校野球のような素人野球は見ない、巨人戦だけを見るという人もいる」と答えると意外そうに「へー、そうかウチではとても許されない」とだけ言った。

私は何故、読売新聞社に関して何も知らないのか?

1.1980年代、朝日が日本最強の広告媒体だった
2.広告媒体として格下の読売のスパイをする理由がない
3.読売新聞には朝日/毎日/中日新聞との比較で秘密主義があった

というところだろう。

あまり秘密にされると知りたくなるので、某広告代理店の男に頼み、中途採用の新人という前提で読売内部に入れないかと頼んだことがある。

ところが、それができないのだという。受付と顔見知りでも社員証を提示しないといけないのだという。

結果として、良くも悪くも読売の内情を知らない。