静かなる大恐慌の正否
2013.05.05

私のサイトには世界各国からアクセスがある。だが一番、多いのはドイツである。逆にアクセスが全く無いのが米国で、ほとんど無いのが英国、豪州、NZである。私は、この現象をずっと不思議に思ってきた。何故なら、私が書いてることでドイツ人に訴える部分がないからだ。

引用

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34541

「ちょっと見てくださいよ。こんなものは、とても受け入れられない」。ある外交官はそう嘆きながら、シルビオ・ベルルスコーニ氏所有のイタリア紙イル・ジョルナーレの1面に載った記事を指さした。

ユーロ危機とアウシュビッツを結びつけ、ドイツの傲慢さに気をつけろと警告し、ドイツは単一通貨を兵器に変えたと断じる内容だった。

もはやタブーでなくなったナチス・ドイツへの言及

ギリシャの新聞も大差ない。ナチスによるギリシャ占領に言及する際のタブーは、ずいぶん前に破られている。

「ドイツ人は嫌なヤツだ」との見方が南欧全域で息を吹き返している。ドイツは他国を貧困に追いやり、各国の政府から権限を奪い、大抵は誰にでも偉そうに命令する、という具合だ。

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE93E04M20130415?rpc=188

[ベ ルリン 14日 ロイター] ドイツで結成された反ユーロを掲げる新政党「ドイツのための選択肢(AfD)」。既存政治勢力はポピュリスト集団だと意に介 さないそぶりを見せるが、14日に開かれた初の党大会には約1500人が出席するなど、結成後わずか数カ月で一定の有権者の共感を呼んでおり、9月の総選 挙では台風の目になる可能性もある。

引用終わり

ドイツ人が今のユーロ危機に相当うんざりしている。その先で

「次はイタリア抜きでやろう」

と日本を巻き込もうと考える勢力が本当にドイツ+北欧(特にフィンランド)あたりに存在するのではないだろうか?要するに南欧を切り離して、北部欧州だけで何らかの連合を作るという構想である。

欧州がアフリカを植民地にし奴隷貿易を行ったというのは公平な表現ではないと私は考える。奴隷貿易をやったのは

英国
フランス
スペイン
ポルトガル

であり、ドイツや北欧はほとんど関与してない。この奴隷貿易をやったのが実質、国際金融資本であるというのが私の認識だ。

http://www.afrobossa.sakura.ne.jp/view/view728.html
「セシル・ローズの奇妙な人生」

ドイツはアフリカやアジアに植民地を持っていただろうか?私は北欧のファンでは無いが、フィンランドの植民地とか聴いたことがない。
(ナミビアはドイツ領だった)

上の主張は、根拠に乏しく論理に飛躍のある主張なので、ここで打ち切る。

さてTPP反対論者として有名な中野剛志氏がおられる。この人の著作に

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC
%E3%83%90%E3%83%AB%E6%81%90%E6%85%8C%E3%81%AE%E7%9
C%9F%E7%9B%B8-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E
6%9B%B8-%E4%B8%AD%E9%87%8E-%E5%89%9B%E5%BF%97/dp
/4087206203

グローバル恐慌の真相 (集英社新書) [新書]

内容紹介

リー マン・ショックで金融資本を救った国家が次々、危機に瀕するという恐ろしい連鎖が始まった。グローバル化のデフレ圧力で中間層が破壊され、未来への投資が 停止し、民衆とエリートの対立が深まる「冬の時代」。この長く続くであろう危機、大恐慌の足音の聞こえる時代を日本が生きぬくために必要なのは、過剰な流 動性を生んだグローバル化の危うさと各国の社会構造の本質まで分析する「経済思想」だ。

『TPP亡国論』で論壇の寵児となった中野剛志と気鋭の経済思想家・柴山桂太が徹底的に危機の時代への処方箋を語りつくす!

<目次>
はじめに 壊れゆく世界を生きぬくために 中野剛志
第一章  グローバル化の罠に落ちたアメリカと世界
第二章  デフレで「未来」を手放す日本
第三章  格差と分裂で破綻する中国とEU
第四章  冬の時代のための経済ナショナリズム
おわりに 歴史は繰り返す  柴山桂太

引用終わり

結果として

欧州: 巨大な信用収縮がおきる
米国: 欧州と米国の金融面でのつながりの深さから同様な信用収縮がおきる
中南米: 中南米にお金を貸してきたのが欧州と米国だから当然、危機におちいる
アフリカ: 誰にとっても助けるメリットが無い
中国: 欧州と米国が資金を引き揚げれば当然ながら危機

ロシアとインドは良くわからないので書かない。

じゃあ何故、今、世界的な金融危機になってないのか?先送りをしているからだ。FRBとECBが未曾有の金融緩和をやったからだ。しかし、ここには幾つか落とし穴がある。

1.担保再利用
2.自国のCDSを自国の金融機関が売ることで意図的にソブリン格付けを上げてきた南欧諸国では、政府に自国金融機関を助けるだけの力がない

私が特に問題だと思うのは担保再利用である。

例えばあなたがFXでドル売り円買いのポジションを取った時、必ず証拠金を要求される。ところが欧米の金融機関の多くは自分たちのポジションを取るために必要な証拠金をたらい回しにしてきた(とBloombergなどは主張する)。

要するにFXの証拠金として差し出したマージンを誤魔化して日経平均先物買いのマージンに転用し、それをさらに金ETF購入に使用したと考えるとわかりやすい。

rehypothecation (リハイポセケーション)

https://www.google.co.jp/#q=rehypothecation&oq=rehypoth&gs_l=serp.1.0
.0i19l10.5516.10235.0.12469.11.10.0.1.1.1.297.2157.0j3j6.9.0...0.0...1c.1j4.12.serp.
FZLdeVTaDkE&bav=on.2,or.&bvm=bv.45960087,d.dGI&fp=72851d268325d3fa&biw=
1024&bih=651

別に金融業界で働いてない私でも、この程度のことは知っている。要するに担保の使い回しだ。どこかで逆流する。何故ならFRBは既に出口戦略(金融緩和の終わり)を模索している。それが何時、どういう形でおきるかを書くのは専門家の仕事であり私の仕事ではない。

で、日本はどうなのだ?比較的マシである。だが、日本の内需拡大策はすでに需要奪い合いになっている国際社会で真っ先に狙われる。典型的にはTPPであり、この点で中野氏は一貫した主張をしてきた。